世界の不条理と闘う現代の女性

photo by pabak sarkar

 

「コンフロントワールド」は、「不条理のない公正な世界の実現」というビジョンを掲げています。この記事では、現代の世界で不条理と闘っている人々を紹介致します。

最初にクイズを出します。以下の3つの発言をした人物をそれぞれ当ててみてください。ヒントは3人とも女性です。

 

「難民の人たちを助けてください。どんな人も難民になるべきではありません( Help the refugees. No one should be a refugee.)」

「一人の子ども、一人の教師、一冊のノート、一本のペンが世界を変えられます(One child, one teacher, one note, one pen can change the world.)」

「直し方のわからないものを、これ以上壊すのはやめてください(If you don't know how to fix it, please stop breaking it.)」

 

回答が思い浮かんだでしょうか。3人とも解った方は、相当の国際問題通です。

 

 

「小さな戦場ジャーナリスト」

 

最初の発言をしたのは、シリア人の「バナ・アラベド(Bana Alabed)」という少女です。NHKのニュースでも取り上げられたので、ご存知の方もいるでしょう。 彼女はシリア内戦の激戦地アレッポの元住人で、現在は隣国のトルコで暮らしています。武力紛争下の街や、家族の様子を継続的にtwitterで伝えていました。7歳にして流暢な英語を操り、シンプルかつ心に刺さるメッセージを、世界の人々や指導者に向けて発信しています。

 

彼女は武力紛争の被害を受けながらも、苦しんでいる人々のいる現場の状況を伝える重要性を私たちに教えてくれています。

 

約37万人のフォロワーを持つ「バナ・アラベド」のtwitterアカウントはこちらです。

https://twitter.com/AlabedBana

 

 

 

「テロリズムに屈せず、教育の可能性を信じる少女」

 

2つ目の発言をしたのは、パキスタン人の「マララ・ユスフザイ(Malala Yousafzai)」です。彼女はパキスタンで暮らす普通の少女でした。学校を経営している父の影響で、医者を目指し学校に通っていました。

 

彼女の運命を変えたのは、彼女が13歳の時に彼女に起きた出来事でした。彼女と友人は中学校からの帰宅途中に何者かに銃撃され、重傷を負いました。マララ・ユスフザイは頭部と首に銃弾を受けました。この事件に対し、現地を掌握していた「パキスタン・タリバン運動」が犯行声明を出し、女性が教育を受けることを認めないと主張しました。

 

この事件は大きな反響を呼び、アメリカのクリントン国務長官(当時)や国連のバン・キムン事務総長(当時)なども事件を非難する声明を発表しました。マララ・ユスフザイはイギリスで治療を受け、奇跡的に回復しました。

翌年の2013年7月、彼女は国連本部で演説を行い、教育の重要性を訴えました。

 

その中で、特に以下の一節が筆者の印象に残りました。

 

 

「"I raise up my voice – not so that I can shout, but so that those without a voice can be heard."(私は声を上げます。といっても、声高に叫ぶ私の声を届けるためではありません。声が聞こえてこない「声なき人々」のためにです。)」

 

 

「声なき人々」のために行動するという信念は、「コンフロントワールド」やNPOの活動に通じます。南スーダンの難民は、生計を立てることさえできず、声を上げるのは難しい状況に追いやられています。そのような人々に目を向けるのが、彼女と私たちの共通点です。

 

マララ・ユスフザイは2014年には史上最年少で「ノーベル平和賞」を受賞。現在は高校を卒業し、全ての少女が教育を受けることを目指す「Yesallgirl」キャンペーンを行っています。

 

彼女は暴力に屈せず、教育の普遍的な価値を私たちに教えてくれています。

 

photo by Southbank Centre

 

 

「生命と自然への愛を説くメッセンジャー」

 

3つ目の発言をしたのは、日系カナダ人の「セヴァン・カリス・スズキ(Severn Cullis Suzuki)」です。

 

彼女を一躍有名にしたのは、1992年に開催された「環境サミット」での「伝説のスピーチ」でした。当時12歳だった彼女は、子どもの立場から環境問題を考える団体に所属し、自分たちで費用を集め、彼らの想いを伝えるために、会議が行われたブラジルのリオデジャネイロへ向かいました。

 

スピーチの時間をもらった彼女は、地球環境と人間と動植物の生命を危機に晒す現代の人々に警告を発しました。筆者も初めて彼女のスピーチの映像を観た時は、衝撃を受けました。1992年は「気候変動枠組み条約」が出来た年で、まだまだ世界における気候変動の認知度は高くありませんでした。にも関わらず、12歳にしてたった約5分の間で、南北格差、世代間格差、生態系の破壊の問題を鋭く指摘したスピーチは、一気に世界中の人に閲覧されました。

 

結婚し二児の母になった今も、セヴァン・カリス・スズキは各地で精力的にメッセージを伝え続けています。

photo by Nick Wiebe

 

 

今回紹介した3人の女性は、武力紛争・難民問題、テロリズム・教育、オゾン層破壊・気候変動と、それぞれ異なる社会問題に立ち向かってきました。世界から不条理をなくすためには、複合的かつ相互に関連している多くの社会問題を解決へと導かなければなりません。

 

 

執筆:広報ファンドレイジング局 高橋淳志